建築積算とは?

建築積算とは?

#建築積算のイロハ

最終更新日:2026/06/23

生島 淳平

株式会社日積サーベイ

生島 淳平

ベンチャーの広告会社にて、ビジネスマッチングプラットフォームの企画・運営に約4年従事。その後、現在の会社に転職し、子会社への出向を経て自社開発の積算システムの営業・コンサルティングを担当。BIMと積算の連携推進に取り組みながら、建築積算・コストマネジメントの実務も経験し、現在は積算システムの企画・運営を中心に活動。 異業種からのキャリアチェンジという独自の視点と、積算システムの導入支援から実務まで幅広く携わってきた経験を活かし、本連載の監修を務めます。 次回からは、弊社の実務社員(30代の中核メンバー)が自身の経験をもとに執筆し、監修者がその内容を監修する形でお届けします。教科書的な解説にとどまらず、現場で実際に感じた悩みや気づき、リアルな実務の声をお伝えできるのがこの連載の強みです。ぜひ楽しみにしていてください。

はじめまして。「建築積算のイロハ」連載スタートです

建物をつくるとき、設計図が必要なのはみなさんご存知のことと思います。では、「それをいくらで建てられるか」を計算する人の存在を、意識したことはありますか?

この連載では、建築業界の中でも少し地味に見えて、じつはとても重要な仕事——「建築積算」をテーマに、基礎の基礎からやさしく解説していきます。

建築を学び始めた学生の方、現場に配属されたばかりの新人の方、あるいは「発注者側として建築コストを理解したい」という方まで、「積算ってよく聞くけど、正直よくわかっていない…」という方に、ぜひ読み続けてほしい連載です。

建築積算とは?

建築積算とは、建物を建てるために必要な材料・工事・費用を数量化し、工事費を算出する業務のことです。

設計図をもとに、「この建物には鉄筋が何t必要か」「コンクリートは何m3打つか」「仕上げ材は何㎡か」……といった具合に、あらゆる工事の数量を拾い出し(これを「数量積算」といいます)、それぞれの単価をかけ合わせて(これを「値入」といいます、工事全体の費用を計算します。

この積算によって算出された金額をもとに、施工会社は見積書を作成し、発注者との契約金額が決まっていくのです。

ひとことでいえば 積算とは、「設計図を“お金”の言葉に翻訳する仕事」です。

なぜ積算は重要なのか

建築プロジェクトは、多くの場合、何千万円・何億円という単位のお金が動きます。この金額の根拠を正確に示せなければ、発注者は安心して予算を組むことができませんし、施工会社も適正な利益を確保できません。

積算が正確でなければ、工事の途中で「予算が足りない」という事態が発生したり、逆に大幅に余ってしまったりと、プロジェクト全体に大きな影響が出ます。

建物のクオリティを守りながら、無駄なコストを抑え、関係者全員が納得できる金額をつくり出す——積算技術者は、まさに建築プロジェクトの「財務の要(かなめ)」といえる存在です。

「建築積算のイロハ」では、積算の基本的な仕事の流れから、資格・キャリア、最新のBIM・AI活用まで、幅広く扱っていく予定です。テーマは今後変わることもありますが、「積算の全体像」を少しずつ、一緒に理解していけるような連載にしていきたいと思います。

積算は「地味」じゃない

「積算って、数字を計算するだけでしょ?」と思っている方、ちょっと待ってください。

積算業務には、図面を読む力、建築の知識、コストへの感覚、そして関係者とのコミュニケーション力まで、幅広いスキルが求められます。また近年は、BIM(Building Information Modeling)やAIの進化によって、積算の仕事も大きく変わりつつあります。

積算を深く理解することは、設計者にとっても施工者にとっても、そして発注者にとっても、建築プロジェクトをより良くするための共通言語を持つことに繋がります。

おわりに

この連載が、積算という仕事をもっと身近に・もっとおもしろく感じるきっかけになれば嬉しいです。

次回は、「積算とはどんな業務か?」を、仕事の流れや必要なスキルとともに詳しく解説します。どうぞお楽しみに!

この連載について

会社紹介

日積サーベイは、建築積算に特化した専門事務所です。積算実務と積算ソフトの開発という二つの柱を持ち、建築コストに関わるあらゆる課題に対応しています。

積算実務では、公共工事の予算書作成を中心に、設計者・発注者に対するコストマネジメントのサポートを幅広く担っています。設計の初期段階からコストを見据えた提案を行い、プロジェクトの予算管理を強力にバックアップします。

また、自社で積算ソフトの開発も行っており、BIMとの連携も視野に入れながら、積算業務の効率化・高度化に向けた取り組みを続けています。実務で培ったノウハウをソフトウェアに反映させるという、専門事務所ならではのアプローチが強みです。