
設備の実務に大事なのは「段取り力」(3)実施設計編
最終更新日:2026/07/27

株式会社日建設計総合研究所
村井絢香
大手建設会社にて設備設計(電気・機械)に7年、設備施工管理に3年従事。大規模病院、歴史的建築物の復興、放送局、大規模再開発等のプロジェクトを担当しながらZEB設計ガイドライン・設計ツールの社内開発にも携わる。その後スタートアップ企業に転職。設備部門の立ち上げを行い、事業主として設備PMおよび設備設計に2年従事。設計・施工・事業主の3つの視点を強みに、現在は日建設計総合研究所の研究員として環境・エネルギー分野の調査研究とコンサルティングを行っている。
建築設備界隈の皆様、毎日のお仕事お疲れ様です。本日はついに”設備の実務に大事なのは「段取り力」 実施設計編”をお届けしたいと思います。
1.実施設計でやるべきこととは?
ぶっちゃけ、作図と申請だけです。と言いたいところですが、そんなうまくいってたら私たちこんなに忙しくないんですが、みたいな感じですよね。ではなぜ実施設計は忙しいのか?それは不可抗力も含め、基本設計でやるべきことも実施設計でやってるからです。
2. それって問題の先延ばしですよね?
つい使ってしまう甘美なフレーズ「実施設計で検討します」。基本設計レベルの課題にもついこの言葉を使ってしまうことがあります。だって目の前の課題で手一杯なんだもん。本当に先送りしても大丈夫?手遅れにならない?鬼の心で自分に問いかけ、またこれを発言した人にも言ってやりましょう「それって問題の先延ばしですよね?」。場の空気は悪くなりそうですが、まずは不要な積み残しを持たない、ということです。
3. まだここ変えられますか?
クライアントの希望をいつまで受け入れるか、というのも設計者の大きな課題です。作るのに時間もお金もかかって、一回作ったら簡単に変えられないのが建築物。ましてやクライアントのお金で作るクライアントの所有物なので、希望を無視してよいわけがありません。
「まだここ変えられますか?」に対し、可否とともに変更による設計工程やコストへの影響度をご説明する、が正攻法ですが意外とこれが難しいですよね。
実施設計の終わりから、申請工程、作図工程を追い出して残った時間が検討期間。実施設計工程を引くと、これが思っていたよりも短くて脇汗が噴き出た(もしくは血の気が引いたなど)、というのはあるあるですよね。これをやらずに「たぶんまだ大丈夫です」など言ってなんとなく変更を受け入れている方、設計工程を細かく引いてみると、クライアントの希望以外にも短期間で片付けないといけない課題が山積であることに気が付き、脇汗が噴き出ますよ。
4. さいごに
流れが速く先行き不確定なこのご時世、コスト調整やのっぴきならない事情でどうせ建築プラン変わるんでしょ、という諸行無常な気持ちになりがちですが、設備工事と建築工事ではコストの下げられる幅は違いますし、設備だけで建物は作れませんので、仕方のないことではあります。愚痴を言うのはほどほどにして、良いものづくりを目指して前向きに取り組んでいきたいですね!
※本記事の内容は筆者個人の見解であり、所属組織の調査研究に基づく公式な見解を示すものではありません。また、特定のサービスや商品のプロモーションを目的としたものでもありません。

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